禁煙を1日ずつ:最初の30日間の完全ガイド
この先に何が起こるかを知っていれば、乗り切りやすくなります。このガイドでは、禁煙して最初の30日間を、1週目は1日ずつ、その後は30日目まで1週間ずつ説明します。それぞれの段階について、体の中で何が起きているか、多くの人が何を感じるか、何をすればよいかを示します。
1日目を10月1日にすれば、英国のStoptoberキャンペーンが呼びかけるのと同じ30日間になります。日程と、それにともなう無料のサポートについては別の記事で説明しています。米国の日付はGreat American Smokeout(11月の第3木曜日)で、1日目が木曜日になり、下で説明するいちばんつらい3日目が土曜日にあたります。
1〜7日目:急性期
以下の「体のしくみ」には、保健機関や研究が述べていることだけを、リンクとともに載せています。「感じること」はよくある体験で、測定されたものではありません。
1日目
体のしくみ: NHSは、脈拍は20分以内に正常に戻り始め、血中の一酸化炭素は8時間で半分になるとしています。ニコチンの半減期は平均約2時間で、CDCは血中のニコチンが24時間でゼロになるとしています。離脱症状はふつう、最後の1本から4〜24時間後に始まります。
感じること: 人によってさまざまです。驚く人は多く、1日目は特に午前中、心配していたほどつらくないことがよくあります。夜になり、いつも吸っていた時間を過ぎるころには、吸いたい気持ちが強まります。よく眠れないことがよくあります。
すること: NRTを使うなら、朝から用意しておきましょう。一日の予定を組んでください。何もない時間に吸いたい気持ちはやってきます。夜のための具体的な計画を立てておきましょう。
2日目
体のしくみ: ニコチンが分解されてできるコチニンは半減期が約16時間なので、まだ血液中にあります。NHSは、48時間で一酸化炭素は非喫煙者の値まで下がり、肺は粘液を外に出し始め、味覚と嗅覚は改善しているとしています。WHOは一酸化炭素が戻るのを12時間、CDCは数日としています。
感じること: ほとんどの人は、2日目を1日目よりつらく感じます。イライラが強く、吸いたい気持ちがより頻繁になり、集中しにくくなります。疲れているのによく眠れない人もいます。睡眠の研究では、最初の数晩は夜中に目が覚める回数が増えることが測定されています。
すること: 周りの人に前もって伝えておきましょう。外に出て体を動かしてください。15分の散歩でもかまいません。わかっているきっかけの時間帯は、手を動かしていましょう。
3日目
体のしくみ: ニコチンの離脱症状についてのレビューは、ピークを3日目ごろとしています。何が測定されたかは離脱症状のタイムラインをご覧ください。NHSは、72時間で気管支がゆるみ始め、呼吸が楽に感じられることがあるとしています。
感じること: ほとんどの人にとって、いちばんつらい日です。吸いたい気持ちがもっとも頻繁で強くなり、イライラもピークになります。頭痛や頭がぼんやりする感じもよくあります。
すること: NRTは、吸いたい気持ちに使う即効性のものも含めて、指示どおりに使いましょう。危ない場面は避けてください。運動して吸いたい気持ちの角をとりましょう。ここがおおよそのピークだということを覚えておいてください。自力で禁煙した人の研究では、再喫煙のほとんどは最初の8日間に起きていて、ここを越えることが大切です。
4日目
体のしくみ: ピークは過ぎました。症状はゆっくりとやわらぎ始めます。NHSは、72時間後からエネルギーが増えていくとしています。
感じること: ほとんどの人は、3日目よりはっきり楽になったと感じます。快適ではないけれど、よくなっています。吸いたい気持ちが少し減るかもしれません。頭痛はやわらぐことが多くなります。
すること: 進んできたことを認めましょう。楽しめることをしてください。できれば、いつもより少し長めに歩いてみましょう。
5日目
体のしくみ: せきが増えることがあります。NHSは、肺が喫煙でたまった粘液を外に出している短期的な過程だとしています。せきが3週間以上続く場合は、医師に診てもらってください。物事が色あせて感じられる気分の平板さは、測定されている離脱症状のひとつで、最初の数日がもっとも強くなります。
感じること: 離脱症状にともなう、ずっと続いていた不安が薄れてきているかもしれません。タバコを吸いたいのを初めて忘れていた瞬間があったと話す人は多くいます。
すること: 残っている行動のきっかけ(食後、コーヒーと一緒、ストレスのとき)を洗い出しましょう。離脱症状のいちばんつらい時期を越えた今こそ、具体的な計画が必要です。
6日目
体のしくみ: 今日新しく測定できることはありません。最初の数日の変化が続いています。血液循環は特定の1日ではなく、2〜12週間かけてよくなっていきます。
感じること: このころ、気持ちの上ではっきりした変化を感じる人は多くいます。安心と静かな誇りのあいだのようなものです。多くの人にとって、何年かぶりにいちばん長くタバコを吸わずにいる期間です。
すること: この勢いを使いましょう。大事な喫煙のきっかけに代わる、具体的な新しい習慣をひとつ作り始めてください(夕食後のタバコの代わりに散歩、その日最初の1本の代わりに朝の散歩など)。
7日目:1週間
体のしくみ: 脳の画像検査では、ニコチン受容体の過剰は禁煙して約1週間でもっとも大きくなります。喫煙で増えた受容体がまだ残っているのに、ニコチンはなくなっている状態です。呼気中の一酸化炭素は7日目からはっきり低くなります。
感じること: 多くの人にとって、山を越えたところです。吸いたい気持ちはまだありますが、対処しやすくなっています。睡眠はまだ落ち着いていないかもしれません。
すること: マイルストーンを祝いましょう。目に見える形で記録してください。最初の1週間は、禁煙のなかでいちばんつらいひと続きの期間です。それを越えたことには意味があります。
2週目(8〜14日目)
起きていること: 主な離脱症状は最初の1週間でピークを迎え、2〜4週間続きます。やわらいではいますが、なくなってはいません。今は習慣と条件づけられたきっかけが、より大きな役割を果たしています。
よくある体験: 2週目の初めは、思っていたより調子がよいと感じる人が多くいます。週の後半に、禁煙の新鮮さが薄れていつもの生活が戻ってくるにつれて、気分が平板になる時期がある人もいます。
すること:
- 体を動かし続ける。1回の運動でその後最大50分間、吸いたい気持ちが減ります
- NRTを指示どおりに使い続ける。NHSは禁煙補助製品を少なくとも12週間使うようすすめていて、早くやめすぎる人が多くいます
- 「1本だけ」に気をつける。NHSはたった1本でも、またくり返しに引き戻されることがあるとしています
- 落ち込みが気分の平板さ以上のものに感じられる場合や、自分を傷つけたいという考えがある場合は、すぐに医師に相談してください。日本では、よりそいホットライン(0120-279-338、無料、24時間)に電話できます。命に危険が迫っている場合は119(救急車)に電話してください。ある研究では、禁煙後の落ち込みが喫煙に戻ることを予測していたので、過ぎ去るのを待つのではなく、治療する価値があります
今週の体の変化:
- ある研究では、鼻の粘液のクリアランスが15日目ごろまでに正常範囲に戻っていました。気道がきれいになるしくみもご覧ください
- 粘液が出ていくあいだは、せきがまだ多いかもしれません。せきが3週間以上続く場合は、医師に診てもらってください
- ある研究では、舌の先と縁の味覚が2週間で回復したことが測定されています
3週目(15〜21日目)
起きていること: 多くの人で、吸いたい気持ちがわく回数が減っています。特定のきっかけ(コーヒー、食事、ストレス)への条件反応は、少しずつ弱まっています。
よくある体験: 3週目は、続けられそうだと初めて感じる週であることがよくあります。「タバコを吸わない自分が本当に想像できる」と話す人は多くいます。
残っている課題: 食べること、コーヒーを飲むこと、ストレスを感じること、喫煙と結びついた環境にいることなど、行動のきっかけはまだ吸いたい気持ちを生みます。これらは体の離脱症状というより学習された反応で、薄れていくのに時間がかかります。
すること:
- 日数を記録する。数字が増えていくのを見ること自体が、それを守る理由になります
- まだ対処していない行動のきっかけがないか洗い出す
- お酒については慎重に考える。NHSは、お酒をもっともよくあるきっかけのひとつに挙げています
4週目と30日目(22〜30日目)
起きていること: NHSは、離脱症状が続く期間の平均を3〜4週間としているので、多くの人にとって30日目は離脱症状の終わりに近い時期です。自力で禁煙した人では、ほとんどの症状が30日までに禁煙前の水準に戻っていました。例外は空腹感でした。
よくある体験: 28〜30日目は本物のマイルストーンです。NHSは、28日間タバコを吸わずにいられたら、完全にやめられる可能性が5倍になるとしています。残っているのは、主にきっかけ、日々の習慣、ときどきの強い吸いたい気持ちといった行動の面です。
約30日の時点の体の状態:
- 血液循環がよくなってきている(NHS:2〜12週間)
- 気道の掃除の機能がよくなっている。ある研究では、禁煙した人の63%で1か月の時点で大きな改善が見られました
- せきと息切れが減り始めている(WHO:1〜9か月)
- 味覚と嗅覚はよくなっているが、まだ途中。測定された回復は何か月も続きます
- 肺機能:NHSの数字(最大10%)は3〜9か月目のもので、30日目のものではありません
30日の時点ですること:
- NRTを続け、パッケージに書かれた、または薬剤師が示す減らし方の計画に従う。NHSは少なくとも12週間としています
- マイルストーンを意味のある形で祝う。節約できた金額を計算し、健康の変化を書きとめる
- 記録の上で、次のマイルストーン(90日)を設定する
よくある質問
禁煙していちばんつらいのは何日目ですか?
いちばんつらいのは3日目であることが多く、研究もそれと一致しています。ニコチンの離脱症状についてのレビューは、ピークを3日目ごろとしています。その後、症状はやわらぎ始めます。
禁煙はいつから楽になりますか?
3日目のピークを越えた1週目の終わりには、はっきり楽になったと感じる人が多くいます。離脱症状は平均3〜4週間続くので、3〜4週目にもう一段楽になることがよくあります。きっかけに結びついた吸いたい気持ちは、ふつう回数は減りながらも、何か月もわくことがあります。
禁煙すると、よくなる前に一度悪くなるのはふつうのことですか?
ふつうのことです。離脱症状は3日目ごろのピークに向かって強まっていくので、最初の数日はたいてい禁煙前より悪く感じます。その後は、まっすぐではないものの、全体としてよくなっていきます。